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コラム


士業事務所のIT管理コスト——「お金をかけないセキュリティ」の現実的な考え方
「セキュリティ対策にお金をかける余裕がない」という声をよく聞きます。気持ちは分かります。しかし、この話には前提の誤解があることが多い。 多くの場合、士業事務所に必要なセキュリティ対策のほとんどは、すでに支払っているMicrosoft 365やGoogle Workspaceの費用の範囲内で実現できます。追加費用がかかるものは一部です。「お金がかかる」と思って放置している対策が、実は「今すぐ無料でできる対策」であるケースが多い。 Microsoft 365で「追加費用ゼロ」でできること 多要素認証(MFA)—— セキュリティの既定値群をオンにするだけ。最も効果の高い対策が無料で設定できます。設定時間は5分以内です。「お金がないから後回し」にする理由がない対策の筆頭です。 Entra ID(旧Azure AD)によるアカウント管理—— 誰のアカウントが有効か、最後のサインインはいつかを管理画面で確認できます。退職者アカウントの即時無効化も管理画面から数クリックで可能です。 Microsoft Defender(ウイルス対策)—— Windows...
5月1日読了時間: 3分


二段階認証を設定していない士業事務所が今すぐやるべきこと
「なりすましログイン」の被害は、パスワードが複雑でも起きます。なぜなら、パスワード単体では「本人かどうか」の証明として十分ではないからです。 二段階認証(多要素認証・MFA)が、今すぐ設定すべき最優先の対策と言われる理由はここにあります。 パスワードが漏れる経路は想像以上に多い 「自分はパスワードを漏らしたことがない」と言える方でも、知らないうちに漏れているケースがあります。 最も多いのが「クレデンシャルスタッフィング」と呼ばれる攻撃です。世界中で起きているサービスへの不正アクセスや情報漏洩で流出したIDとパスワードのリストを使い、別のサービスへのログインを自動で試すものです。「あのサービスで同じパスワードを使っていた」という事実があれば、自分が直接何もしていなくても攻撃が成功してしまいます。 他にも、フィッシングサイトへの誘導で気づかずパスワードを入力してしまったケース、PCにキーロガーが仕込まれていたケースなど、パスワード漏洩の経路は一つではありません。 多要素認証とは何か 多要素認証(MFA)とは、パスワードに加えて「もう1つの確認手段」を
5月1日読了時間: 3分


SCS評価制度とは何か——2026年度開始、士業事務所も「取引先」として対象になる
2026年度末、新しいセキュリティ評価制度が始まります。 経済産業省と内閣官房国家サイバー統括室が策定した「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」——略称SCS評価制度(Supply Chain Security評価制度)です。2026年3月27日に制度構築方針が正式公表され、2026年度末頃の制度開始を目指した取組が進んでいます。 「サプライチェーン」という言葉を聞くと、製造業や大企業の話だと思う方が多いかもしれません。しかし士業事務所も、顧問先企業から見れば「取引先」であり「委託先」です。この制度は、士業事務所にとっても無関係ではありません。 なぜこの制度が作られたのか 近年、取引先を経由したサイバー攻撃が急増しています。大企業のシステムを直接攻撃するより、セキュリティが手薄な取引先・委託先を踏み台にして侵入する方が攻撃者にとって容易なためです。「サプライチェーン攻撃」と呼ばれるこの手法は、世界中で被害が拡大しています。 この状況に対し、発注企業側からは「取引先のセキュリティ対策状況が外部から分からない」という課題が、受注企業
5月1日読了時間: 3分


士業の「もし私が倒れたら」——担当者不在でも業務が止まらないIT設計の話
「もし私が急に倒れたら、この事務所は翌日から動けなくなる」 士業事務所の所長や、IT担当者を一人で担っている事務局長から、こういった話を聞くことがあります。問題は認識しているのに、忙しさで先送りにされている典型的な課題です。 「属人化」は情報漏洩リスクと表裏一体 IT管理の属人化——特定の一人だけがシステムのことを把握している状態——は、情報漏洩対策と逆方向のリスクを生みます。 情報漏洩は「出ていく」リスク。属人化は「入れなくなる」リスク。 どちらも、事務所の業務を止める要因になります。「所長しかパスワードを知らない」状態は、所長が急病で連絡が取れなくなった瞬間に、事務所のクラウドデータへのアクセス手段を失うことを意味します。 「業務停止」が現実になる場面 急な入院、交通事故、家族の介護での突然の長期休業——これらは決して珍しいことではありません。 官公庁への申請期限が明日に迫っているのに、担当者PCのパスワードが分からない。顧問先から急ぎの問い合わせが来ているのに、案件ファイルのある共有フォルダにアクセスできない。ホームページに問い合わせが来て
5月1日読了時間: 3分


弁護士・税理士へのなりすましメール——「本物そっくり」に騙されないための対策
「弁護士事務所を装ったメールが届いた」という相談が近年増えています。受け取る側だけでなく「うちの事務所名を使ったなりすましメールが送られていたらしい」という被害も起きています。 「見た目では判断できない」が今の現実 AIを使って自然な日本語で書かれ、実在する士業事務所名・担当者名・電話番号を使ったメールが流通しています。「請求書を添付いたします」「契約書の確認をお願いします」という件名で添付ファイルを開かせてマルウェアを実行させる手口が主流です。 士業事務所が狙われやすい2つの理由 1つは「信頼されている送信者」として機能するから。弁護士や税理士からのメールは受け取った側が疑いを持ちにくい。 もう1つは、SPF・DKIM・DMARCといったメールセキュリティ設定が不十分な事務所が多いから。この設定が未完了の場合、自分のドメインを名乗った偽メールを誰でも送れる状態になっています。 技術的な対策:SPF・DKIM・DMARCとは SPF——「このドメインからメールを送ってよいサーバー」をDNSに登録する設定。未設定だと誰でも自分のドメインを名乗ったメ
4月28日読了時間: 2分
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